仕事でITP対応を迫られて、実装の際にある程度仕様を把握しておく必要があったので、記事にしてみました。
ITPとは
Intelligent Tracking Prevention の頭文字をとった略語で、Apple製のブラウザSafariに設置されている機能です。
ITP機能は複数回バージョンアップされているのですが、現時点(2021年7月10日)ではおおよそ以下のような制限がかかっています。
- 全てのサードパーティcookieは使えない
- js生成によるファーストパーティcookieは1週間の命
- トラッカー認定(複数ドメインにわたってトラッキングをするドメインかどうか。AIで判定)ドメインからURLパラメ(UTMパラメータ等→「どこから」や「だれ」が流入したがの情報)つきで流入し、付与された②は24時間の命
トラッカー認定とは
「トラッカー認定」とは以下のような条件(他にもあります)から、Safariから「このドメインは広告・計測に使われてそう!」と認定されることです。
- リンク元ドメインがスクリプトとして他のドメインから読み込まれた数
- リンク元ドメインがiframeとして他ドメインから読み込まれた数
- リンク元ドメインからのリダイレクト数
サーバーで一元的にリスト管理されているわけでなく、各端末のSafariがそれぞれ判断しているようですが、感覚的にはサーバーで一元管理するほうが効率的に感じます。(この辺りはもう少し調べてみたいところ)
Chromeでの寿命(2年)
さて、今回はGAのクッキーを見てみましょう。
現時点で何の制限もないChromeでアクセスすると、

GAのクッキーはデフォルト2年保持される設定となっていることがわかります。

次はSafariの設定を見てみます。
Safariでの寿命(24時間〜7日)
Safariでyahoo広告をクリックしてみました。

以下画像がリンク先URLですが「どこから、どんな広告キャンペーンで流入したか」といった情報がUTMパラメータとして付与されています。

「ITPとは」の条件3つ目のUTMパラメータが付与されていることは確認できました。
この時は広告をクリックするとjavasacriptが起動し、一瞬だけadservice.google.comを経て、salonpasにリダイレクトされました。(salonpasの広告が再び出なくなってしまったので、おそらくですが・・・)

GAのクッキーはファーストパーティクッキーですが、jsで生成されるものです。
ここは間違えやすいところですが、GAクッキーはGAサーバーで発行されるのでなく、js呼び出し元ドメインで発行されるので、ファーストパーティクッキーとなります。
ここで、GAクッキーは以下条件を満たしたため、ITPの機能により寿命が24時間と決められました。
- js生成によるファーストパーティクッキー
- UTMパラメータ付与
- トラッカー認定されているドメイン(adservice.google.com)
正直3.の「トラッカー認定されているかどうか」は結果を見て判断するしかありませんが、ITPでは上記のような判定を経て、クッキーの寿命が決められているようです。
さて、それではどうやったらこのITPを回避できるのでしょうか?
次回以降その回避方法について記載していきます。
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